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[Space] 宇宙の入口 カクダ vol.1

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更新日:2020年7月28日更新

宇宙の入口 カクダ

宮城県角田市にある「角田宇宙センター」では、宇宙に飛び立つロケットエンジンの開発が行われています。また、角田市で開発されたエンジンを載せるH-2ロケットの実物大模型が、市内の台山公園に展示されています。角田市と宇宙って、実はとても密接な関係なのです。宇宙を知るきっかけに、角田に訪れてみてはいかがですか?

なぜ角田市に宇宙の研究施設があるの?

 人口約3万人、広い土地を活用した自動車部品や電気機器の工場が建つ、製造業が盛んな角田市。一見、町の様相からすると、角田市と宇宙は何の関連もないように思えます。しかし市の北部には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の施設「角田宇宙センター」があるのです。一体、どうして?
角田宇宙センターの前身は、現在と同じ場所に1965年に建てられました。当時、宇宙開発の研究施設を建てるために角田市のこの場所が選ばれた理由は、「ロケットの研究で大きな音や煙が出ても大丈夫な場所だから」というものでした。実はセンターが建っている場所は、戦前は海軍の火薬廠(しょう)(爆薬や火薬の工場)の一部だったのです。敷地の中には丘陵がいくつもあり、万が一事故が起きても近隣の施設への影響を最小限におさえる土塁の役割を果たしていました。また、敷地の近隣が工業地帯であったことから、工業用水や電力を簡単に引き込めるというメリットもありました。こうした理由から、戦後に火薬廠の役目を終えて未利用地となっていた場所が、未来に希望をもたらす宇宙開発の拠点となったのです。
角田宇宙センターの敷地面積は約170万平方メートル、東京ドーム約37個分にもなるという広さです。ここに、一定の距離を保って多くの建物や試験設備が配置されています。建物の間には、かつて土塁の役割を果たした丘陵がそびえ、豊かな自然が守られています。木立に囲まれた平地には池もあり、冬には白鳥も渡ってくるのだとか。そんな恵まれた環境の中で、最先端の宇宙開発研究が進められています。

JAXA角田宇宙センターの画像

JAXA角田宇宙センター

住所

宮城県角田市君萱字小金沢1

電話

0224-68-3111

URL

http://www.jaxa.jp/<外部リンク>

  • 見学料/無料
  • 開館時間/10時00分~17時00分
  • 休館日/土・日・祝日(11月~3月の期間のみ。4月~10月は無休)、年末年始
  • 駐車場/有(普通車25台、大型車4台)
  • 見学のお問い合わせ/050-3362-7500

角田宇宙センターではどんな研究をしているの?

角田宇宙センターの画像

 角田宇宙センターの大きな役割は、国産ロケットの心臓部であるエンジンの研究開発や、将来の宇宙エンジンの研究、宇宙から戻ってくる時の大気圏突入帰還する研究を行うことです。種子島から上がるすべてのロケットの第二段エンジンは、同センターでの厳しい試験をパスしたものだけが採用されます。つまり日本のロケットは、角田宇宙センターを通らずには宇宙に飛び立つことができないのです。
国産ロケットの主力は、H-IIAとH-IIBロケットです。H-IIAは全長53m、重さ289t、H-IIBは全長56.6m、重さ531t。エンジンは第一段と第二段があります。第一段エンジンは、打ち上げから6分くらいで切り離され、安全な海面に落下します。第二段エンジンは、高い軌道までロケットを運んでいく役割があります。これらのエンジンの燃料には、液体水素や液体酸素が使われています。
H-2Aロケット/H-2Bロケットの役割は、地上から宇宙空間に荷物を運ぶこと。通信衛星や気象衛星を運んだり、時には惑星探査機を宇宙に運んだりすることもあります。重い機体と荷物を宇宙に飛ばす、その機動力となるロケットエンジンを研究する角田宇宙センターは、とても重要な施設だということが分かります。現在は、新型基幹ロケットH3用のロケットエンジンの研究開発も行われているそうです。
さらに同センターにはさまざまな研究施設や試験設備がありますが、中でも有名なのが高温衝撃風洞といわれる実験設備です。これは、宇宙空間から地球に戻る物体が地球に再突入する時の高温環境を再現するというもの。全長は80mもあり、世界最大・最高性能を誇っています。そのしくみは、風洞の最上流部に大砲のような発射装置があり、そこから強い衝撃波を起こして再突入カプセルや宇宙往還機の模型に1000分の数秒間ぶつけるというもの。その衝撃はマッハ20以上、温度は10000℃にもなるのだそうです。このように、角田宇宙センターには最先端の設備が整えられています。

角田宇宙センターはいつからあるの?

 日本での大型ロケットによる実用衛星の打ち上げが期待され始めたことがきっかけとなり、角田宇宙センターの前身が1965年に設立されました。当時は、科学技術庁航空宇宙技術研究所角田支所と呼ばれていました。さらにロケット開発を推進するために、1978年には宇宙開発事業団の角田ロケット開発センターが誕生。この2つは、道路を挟んで西側に前者、東側に後者が並ぶ立地となっていましたが、2003年に両拠点が統合され、JAXAとして新たなスタートを切りました。
前身から数えると、角田宇宙センターは2015年に開設50周年を迎えました。この年の12月には開設50周年を記念した式典が開催され、宇宙飛行士の山崎直子さんの記念講演会や、JAXAと角田市の連携協力協定書の締結式などが行われました。会場には小中学生をはじめ市民が約400人も駆けつけ、盛大にお祝いされました。
記念式典に多くの市民が参加したことからも分かるように、角田宇宙センターには、多くの人にセンターの研究や宇宙について興味を持ってもらおうという方針があります。施設見学や一般公開を行っているのも、そのための取り組みのひとつです。
施設見学では、試験に使用したロケットエンジンや未来の宇宙輸送エンジンを目指した複合サイクルエンジン、各研究の内容について説明したパネルなどを展示する「宇宙開発展示室」の見学ができます。また屋外には大型液体ロケットエンジンなども展示してあり、こちらも自由に見学することができます。
さらに9月の「宇宙の日」を記念して、毎年一般公開も行われています。この日は、特別に普段は見学できない施設の中も見学することができます。他にも、大人も子どもも楽しめるイベントが盛りだくさん。角田宇宙センターでの体験を通して、宇宙がもっと身近に感じられそうですね!

JAXA角田宇宙センター 一般公開の画像

JAXA角田宇宙センター 一般公開

角田宇宙センターは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究開発部門に属する事業所です。ここでは、将来の宇宙ロケット用として、主力となるロケットエンジンや先進的な技術を盛り込んだ宇宙用エンジンの研究開発を強力に進めています。
9月に一般公開を開催しています。施設公開の他、楽しいイベントがたくさんあります。一般公開の情報は、決まり次第角田宇宙センターのホームページやツイッターなどでお知らせします。

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道の駅角田<外部リンク>

角田市地域振興公社<外部リンク>

角田市商工会<外部リンク>